救急集中治療科のイメージ

救急集中治療科

24時間365日、あらゆる緊急事態に対応する総合南東北病院の救急集中治療科。私たちは、重症患者さまの生命を守り、早期回復を目指して最先端の医療技術と経験豊富な専門医チームが連携し、迅速かつ適切な救急医療・集中治療を提供しています。

当科について

救急集中治療科は救急診療だけでなく、院内外の重症患者を治療する集中治療部門を統括しております。
救急受診、救急搬送を担う救急センターは、郡山市だけに限らず、福島県内の救急医療を支える部門となっており、重症度も1次・2次救急を超えて、時に3次救急対応まで行っております。また集中治療部門ではこういった救急センターからの患者だけに限らず、院内外からの重症患者を支える部門として対応しております。

当科は各専門領域にまたがる診療(多発外傷や敗血症など)や、各種機器を駆使しながら重症患者の全身管理を行うことを専門領域としており、各専門家と協力して、レベルの高い診療を目指しております。当科は救急専門医プログラム基幹施設、集中治療専門医認定施設、呼吸療法専門医施設の認定を現在申請中であり、各種専門医を養成できる機関として尽力するとともに、スタッフにはサブスペシャリティーとして、麻酔、外科、循環器、IVRなどの研鑽を積んでいます。
今後新病院への移転も検討されており、名実ともに3次救急対応できる病院を当科、全病院的に目指しております。

救急集中治療科の仕事1
救急集中治療科の仕事2
救急集中治療科の仕事3

当科の概要及び実績

スタッフ

救急集中治療科
7名(女性医師1名)

救急指導医、専門医、麻酔科指導医、集中治療専門医、循環器専門医、外科専門医、呼吸療法専門医、内科認定医

施設認定

  • 救急病院
  • 救急専門医プログラム基幹施設(2023年4月~)
  • 集中治療専門認定施設
  • 呼吸療法専門認定施設
  • 地域災害拠点病院

救急集中治療科部長挨拶

救急センター長 比留間孝広

救急集中治療科部長 比留間孝広

当科は救急部門である救急センター、集中治療部門であるICU・HCU両者を管轄する科として発足し、病院の入り口から、院内の重症患者の最後の砦として機能しております。救急部門では現在1次・2次救急はもちろんのこと、心肺停止、ショック、中毒、外傷などの3次救急にも対応しておりますが、今後はより重症患者に対応するべく体制の整備を進めています。集中治療部門では救急外来からの重症患者はもちろん、院内発生の急変患者や術後患者の重症患者対応(多臓器不全、敗血症性、ショック、心肺停止蘇生後、多発外傷、気道緊急)を各科と協力して、対応しています。今後我々は、現在1次・2次救急中心の救急センターと集中治療部門を統合し、軽症から重症まで含めて、名実ともに救急対応できる3次救命救急センター化をめざしております。また集中治療部門では心肺停止蘇生後、敗血症性ショック、多臓器不全などの全身管理はもちろん、ECMO、人工呼吸管理、CHDF管理などを積極的に行っています。それ以外にも当科はCOVID対応、災害医療、RRS対応、研修医教育など、院内の重要な対応にも参画しております。

我々のポリシーは、目の前で困っている患者、困っている人、困っている専門科があれば、手をさしのべることです。そこには専門科がどうとか、患者が軽症であるとか重症であるとか、職種などは関係ないと思っております。総合南東北病院には各科の専門領域、職種の壁を越えて、おのおのがやれることをやり、いいと思ったことは迅速に事を進める気運があります。私も複数の救命救急センターで仕事をしてきましたが、ここまでの連携と馬力には正直驚いております。

また一般的に民間病院ですと、臨床だけで疲弊してしまい、診療の質の向上、教育、そして研究といったことがおろそかになりがちです。我々は当院の中でも働き方改革を推し進めている中心にあり、onの時に全力を尽くせるようにon-offを徹底しております。また私も含めて多くのスタッフが福島県立医科大学救急・生体侵襲制御学講座に所属しております。臨床現場からの疑問や課題を研究推進し、社会に還元することが使命だと思っております。

民間病院にいながら、大学とも連携し、臨床、教育、研究を推し進めている総合南東北病院救急集中治療科に、ぜひ一緒に参画してくださる初期・後期研修医・先生方がいらっしゃれば幸いです。

集中治療部門科長挨拶

集中治療部門科長 佐々木 徹

集中治療部門科長 佐々木 徹

急性期医療は病院前救護・救急外来での初期治療・手術室などで行われる急性期インターベンション・集中治療管理・亜急性期のリハビリ/社会調整が1つの輪となってうまく機能する必要があります。これらがシームレスに関わり合い、一貫性のある診療を実現することが重要です。

さて、当院の救急・集中治療科では上記診療を1チームでおこなうことで、一貫性のある診療の実現を目指しています。重症呼吸/循環不全・重症感染症・外傷・外科侵襲後の症例を中心に多様な急性期疾患の、全ての病時期を管理しています。このような臨床経験が、急性期疾患の病態理解・最善の治療戦略構築に不可欠であると考えています。

福島県の急性期医療を取り巻く環境は決して恵まれているとは言えないでしょう。医療資源・人材ともに限られた環境の中、患者さん・医療スタッフの安全を確保しつつ、急性期疾患に苦しむ患者さんを確実に救命し社会復帰まで支援することは簡単なことではありません。しかしながら、そういった厳しい環境であるからこそ、ここで急性期医療を行う意味があると考えています。それと同時に、スタッフの臨床・教育・研究を応援しつつ、スタッフそれぞれの生活に合わせた多様な働き方を認め、お互い助け合って日々の診療にあたっています。このように、充実した診療環境と働きやすさを両立することで、毎年指導医・レジデントともにスタッフが増えてきており、診療のレベルも上がってきています。私たちの診療に興味をお持ちいただけましたらぜひ一度見学に来てください。

救急部門長挨拶

救急部門長 橋本 克彦

救急部門長 橋本 克彦

総合南東北病院は2022年に開院40年を迎えた比較的新しい二次救急病院です。長く救急専従医が居ない中で、中核都市郡山で県内トップレベルの年間約6000台の救急車を受け入れてきました。新型コロナ感染症では、院内で診療チームを迅速に立ち上げ、多くの患者様の受け入れを行いました。災害拠点病院の認定も受け、新型コロナ感染症や自然災害へ対応できる地域の拠点病院として引き続き尽力してゆく所存です。

救急は医療の原点であり、地域のインフラの一つです。医療が高度に専門化し、細分化していく中で、困っている患者様を速やかに診断し、必要な処置を行い、専門的治療へのつなげていく救急部門は、病院の入り口として重要な役割を果たします。

また、高齢化に伴い、多臓器に病気や障害を持つ方が増加しています。重症者治療の最後の砦として、臓器別ではなく全身を管理する集中治療も重要な役割を担います。2021年遂に「救急集中治療科」が専従スタッフ4名で発足しました。スタッフは、救急科専門医、集中治療専門医、麻酔科専門医、循環器内科専門医、整形外科専門医とバラエティに富んだスペシャリティを持ち、互いに尊重し、チーム一丸となって治療を行っています。具体的には、各科との緊密な連携のもと、救急外来の一部(平日日勤帯救急車対応・院内重症者対応)と専門的な集中治療(重症感染症、多臓器不全、中毒、外傷、心肺停止など)を担っています。初期研修医への教育へも力を入れており、救急外来対応や病棟でのon-the-jobトレーニングを二人三脚で行っています。

我々は共に福島の急性期医療を支えてくれる同志を募集しています。我々の目標の一つに「持続性sustainability」があります。地域のインフラであるからこそ、一瞬で燃え尽きてしまっては意味を成しません。「病院は人そのもの」とは当院寺西名誉院長の言葉ですが、我々救急集中治療科も、スタッフを守り、病院を守り、そして地域を守ることができる組織を目指しています。愛する家族が困ったときに、当たり前のように安心して受診できる救急医療体制の確立と維持を共に目指しませんか?